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美青年といってもいい整った顔立ちをしたレンドは、微笑をそのままにユリクの隣りへと腰を降ろした。 「今日も依頼なしか?」 「まあな」 目を合わせずに放つユリク。 「もういっそ、何でも屋なんかやめてここで働いたらどうだ?」 「はあ? 誰がこんなしょぼくれたバーで一生働くかよ」 ユリクが吐き捨てた瞬間、オカママスターから鋭い眼光を感じたが、スルーしておく。 その後数時間、何人かの客が来店した為、ユリクも酒を運んだり、それなりの仕事をこなした。 そしていつも通りの時間で店を後にしようとするユリク。 「あんた……いつまでこんな生活続けるつもりだい?」 キャサリンの低い声がユリクの足を止めた。 「さあな」 投げやりに言い残してユリクは逃げるように店を出る。 ひんやりとした風が頬を撫でた。 すっかり暗くなった街をゆっくり歩いていく。 上を見上げれば、黒い空に薄いブルーの膜が幻想的な雰囲気を出していた。 やがて自宅に到着し、ドアノブに手をかけたその時、妙な気配を背に感じた。
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