キミと映画

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 私達は後ろから三番目、スクリーンの真ん中の席に腰を下ろした。  スクリーンは観やすいし、すぐ前の例と後ろには誰もいないから先輩と気兼ねなく話せる。 「はい。ポップコーンね」 〈わーい。ありがとう。やっぱり映画館と言ったらポップコーンだよね〉  と、言いながら嬉しそうにポップコーンを見つめる。 「美味しい?」 〈うん!〉 「良かったね」  私もポップコーンを頬張っていると、あっという間に上映時間の合図であるブザーが鳴った。  部屋の明かりが落ちて、徐々に真っ暗になるとスクリーンには映像が流れる。  ……うわ。久しぶり。  映画館なんて、子供の時以来だ。  隣を観ると先輩はスクリーンをポーッと口を半開きにして見上げている。  ……間抜けな顔も格好いいなんてズルい。  なんて思っていたら、穏やかな音楽が流れ出す。スクリーンに視線を戻すと、セーラー服を着た綺麗な女優さんがどうやら登校しているシーンのようだ。  その後ろからは、髪を茶色に染めたイケメンと黒髪の真面目そうな男の子がやってきて三人で並んで桜並木を歩く。  どうやら、三人の関係は幼なじみのようだった。  そして茶髪の男の子と主役の女の子は恋人同士。  ……あれ?何かこの三人って、まるで拓斗先輩と紗耶先輩と翔先輩みたい。
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