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「……そうかしら」
「え?」
「……祈ってなんてくれるかしら」
と、悲しげに呟く。
だから思わず、でしゃばりだとはわかりながらも、元気をだして欲しかったから。
「そうですよ。きっと見守っていますよ。もしかしたら隣で笑っているかもしれませんよ?」
と、言葉を掛けた私は思わずそのまま固まる。
確かに先輩は今は沙耶先輩の隣にはいないけれど。きっと今頃は私の家でテレビでも見ているかもしれないけれど。
でも普通、大切な人が亡くなったらどんな形であっても、側にいて欲しいと願うものではないだろうか。
事実、私だって例え幽霊だとしても先輩が側にいてくれて嬉しいし、お父さんにも会いたいと思う。
__大切な人が側にいてくれる。
そう考えたら、普通は少し元気になれるのではないだろうかと考えた。
……なのになぜ?
……どうして私が!?
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