キミと映画

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 __しかしこの時、涼太が先輩に“あんな事”を言っていたなんて。  私は知るよしもなかった。  部屋に戻った時、先輩が一瞬寂しそうに笑ったのは気のせいなんかじゃなかったのに。  私は気のせいだと思い込んだ。  先輩の姿が見えるのは私だけなのに。その声を聞いてあげられるのは私だけなのに。  先輩の変化を見逃した私に、神様が罰を与えたのかもしれない。  __次の日。  目が覚めると、先輩は私の部屋から消えていた。
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