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「付き合ってなんかいません。それはただの勘違いです」
私は真っ直ぐ、三人の目を見つめる。
「勘違い!? じゃあ、どうしてこんな噂が出回ってるのよ!」
「私だって困ってるんです」
「嘘つくんじゃないわよ! 沙耶だってそう言ってるんだから!」
「……え」
その名前に、私の中で何かがガラガラと音をたてて壊れていく。
……沙耶先輩が、私と拓斗先輩を疑っている?
生前、拓斗先輩にどれだけ愛されていたのか。一番わかっているはずなのに……。
「……あの。……沙耶先輩も、私が浮気相手だと言っているんですか?」
思わず聞き返すと、三人は勢いよく頭を縦に振った。
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