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「あー。腹減ったなあ……。今日の生物って何やるんだ?」
と、気怠そうに前を歩くのは幼馴染の溝口涼太。
小学校から高校まで、ずっと同じクラスの腐れ縁。
「確か、何かを顕微鏡で見るって言ってなかった? ……えっと。アメーバだっけ?」
「え。アメーバ? 食ったらウマイのか?」
「……え。そんなの知らないよ……。と、いうより、小さ過ぎて味もわからないでしょ?」
「うわ。お前、俺の夢を壊すなよ」
「夢? それはまた、小さな夢だね」
と、ため息を吐く私の上半身を涼太は意味あり気にジロジロと眺める。
「な、何よ?」
「いや。俺の夢は、お前の胸よりかはでかいと思って」
「な!?」
その茶髪に染められた頭をバシッと思いっきり殴ると、叩き返される。
「ちょっと! 女の子には手加減しなさいよ!」
「は!? お前のどこが女の子なんだよ!」
「なーにー!?」
と、涼太の髪の毛を掴もうとした瞬間、隣から「ストーップ!」と仲裁が入る。
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