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2人のショウは決まって、オリジナルなものではなく、よく見る空中ブランコや玉乗り、ジャグリングといった普通のサーカスのピエロがすることと変わりないものだった。 なぜ人気なのか、それは、2人の無声のやり取りにあった。 早く終わらせたいという気持ちの兄貴役のカーゴと、人見知りな弟役のミーツ。この2人のやり取りが客の気持ちを掴み、笑いと人気を取った。 中でも最後にする空中ブランコでのやり取りに人気があった。 うじうじするミーツを後ろからいきなりブランコを押すカーゴ。 泣きながら空中ブランコをするミーツを見てカーゴはそのブランコを止めずミーツの足を掴み一緒に空中ブランコをする。ミーツは足をバタバタさせカーゴを落とす。落ちたカーゴはまた上に登り、また足を掴む。その繰り返しがあり、いつの間にかミーツはカーゴが落ちる姿に笑顔を浮かべ、いろいろな技の空中ブランコをして客を喜ばす。 カーゴは空中ブランコに夢中なミーツを鼻で笑い、舞台を下りて客席に混ざり座って隣の客とミーツの悪口をいうふりをする。
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