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彼は力無く一人倒れていた。言っておくがあたしのミスだ。
どーしよう?
彼女は空中に浮かぶ映像にアタフタしていた。
「なんでっ?なんでぇ~!!」
うーん……まさか計器の計算ちがいで一つ隣の惑星におりてしまうとは……
「あの計器作るの難しかったもんなぁ~説明映像見てもさっぱりだもん」
彼女はぶすぶすと煙をあげている計器類を遠い目で見つめている。
あたりを見回すと所々から火花や煙がもっくもく☆
攻撃を受けたわけじゃない最初からこうなのだ。
「まぁ……また一から作ればいいさ、今はこっちの問題を……」
彼女は操作用のコンパクトを閉じると円形の部屋の中央へ移動した。
床にある緊急引き下げボタンに足を振り上げ……
「これじゃルール違反になるんだから、生きてなさい……よっ!!」
ドンッ!!
力が入らない……血がだいぶ出ちまってるのか?
「なんなんだ……、ちくしょう」
……わからない
ワケが分からない
ただ……
光だ、赤い光。
光を浴びた俺はふっ飛んだ。
一体どのくらい浮かんだのか、永遠ともおもわれる一瞬を僕は覚えている……
それは赤い光とは全くの別物の二つの七色の光のダンス。
それらは混じり合うようにクルクルと回転しあるいはぶつかり合い新たな光を生み出していた。
赤い光。あーどうやら僕はあれにやられたらしい
そんなことを納得していると激しい衝撃で僕は意識を失った。
再び気がつくと体は動かなかった、痛みもなかった。
どうやら死にかけているらしい……
光が……見える。
赤くもなく
鮮やかな虹色でもない
暖かな……白……
俺の体はその光に包まれていた。まるで重力から解放されたような感覚。
「ああ……、お迎えだ……神様、出来ればカワイイ天使と一生遊べる天国に」
最後のお願いだ、多少無理言っても聞いてもらえるだろう!ああ、神よ不幸な死に方をした僕にどうか慈悲をっ!!
願いが通じたのかホントに体が浮いてきた。ふわふわと体が引き上げられる。
「は……ははっ、カンペキ死んだな俺……」
あたたかな光の向こうに何か別のシルエットが見える。
形は完璧すぎるぐらいの円形、クルクルとそれ自体回転しているように見えた。
「えん……ば……ん?」
俺はその名だけは知っていた
未確認飛行物体、その名の通り何であるか確認されていない飛行体。
Unidentified Flying Objectの頭文字をとって
「UFO……」
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