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『何って、主婦業界ではこれが一般的な起こし方でしょう?』
は?、なに?
いつの間にか主婦になってますが?……いや、主夫?
と言うか、一般的なんだ。起こすたびにガンガン叩いてたら、普段の使い道じゃなくすり減ってゆくフライパンたちが可哀想でしかたない。
(ああ!!でも……体が勝手にぃっ!!)
ガンガンガンガンガンガン
「ううん……、なぁに?もう話終わったの……?」
「貴様、フライパンの気持ちを考えたことがあるのかっ!!」
ガンガンやるたびに「痛い、痛い!!」って言ってるんだぞ!!
「ない。んで、何か分かったの?」
フライパン、ごめんね。こいつに変わって俺が謝るから!!
「分かった事もあるが、まず聞きたい、俺の腕何で家政婦なんだ?」
ルビィは小さくのびをして、ついでに羽もぐいっと開いて、あくびまでしている。
熟睡!?
あのクノイチ君とのやり取りの間に熟睡ですか!?
「あー、その事?だってあたし家事全般できないもの。つか、やったことない。」
そういえばルビィは一国の(いや、一星?)お姫様だった。
家事なんかやったことないのだろう。
「んで、母様から出発前に渡されたのがクノイチ君。身の回りの世話のためにね。その腕は料理、洗濯、お掃除、マッサージ……etc.何でも一流にこなす万能腕よ!!」
ということはだ。
これから俺はことあるごとに腕を付け替え、こいつの世話を……
目の前に広がるであろう苦労の日々に、ただ呆然とするしかない主人公であった。
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