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窓の外を見つめる視線は2つ。
一人は白を基調とした布地に金の美しい装飾があしらわれてる、いかにも王族ですか?という雰囲気をまとった美しい青年である。
もう一人は若い女性で黒一色のシンプルなドレスをまとい、黒いブーツと黒のガントレット、一見すると実にアンバランスだ。
「もうすぐだな、サリー」
「そうでございますね、ラルゴル様」
サリーと呼ばれた黒ドレスは、腰の辺りまである長い黒髪をなびかせながら、ラルゴルの方を向くと深いため息をついた。
「ラルゴル様」
「ん、何だサリー?人の事をそんなに残念そうな目で見るでない」
「申し訳ありません、ラルゴル様。しかし、そのあたりでお止めにならないと鼻がもげてしまいます。」
「なんとっ!?気付かなかった!!なにせ幼少からのクセでな、こればっかりは治らん。」
ラルゴルはその高く整った鼻に人差し指を第二関節あたりまで突っ込んでホジホジしていた。
引っこ抜くと鼻血がタラタラと流れ出す。
すると、サリーは慣れた手つきでハンカチを取りだし、ラルゴルの鼻にあてがった。
ナイスコンビネーション♪
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