―嘘の定義―彼女の嘘と僕の真実

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僕と少女。2人の初めての会話は少女の方からだった。 その時も僕は某巨大百科事典のサイトで情報の海に潜っていた。ちなみに検索ワードは『友情』 対して少女の方もいつものように僕の隣で下を眺めていて、あぁ平和だ。と少なからず思った事を覚えている。 その少女が口を開いたのは、僕が『友情』のページからリンクしている『大きな友達』のページに行った時だった。 「ねぇ、私って可愛いの? 」 は? 何を言ってるのこの子は? あまりにも唐突な問いかけに焦った僕は、思わず内心と真逆の事を言ってしまった。 「可愛くない」と…… 言った後で後悔した。確かに可愛いと言うのは少し恥ずかしかったが、可愛くないな訳がない。少女は学校で、いや、僕が今まで見た女性の中で一番と言って良い位可愛いのだ。 そんな子に対して可愛くないって……何様だよ? 超平凡フェイスの僕よ。 僕が言った事にどんなキツい返しが来るだろうと、かなりドキドキしたのだが、少女から返ってきたのは 「そう」 の一言だった。 正直拍子抜けだった。もっといろいろ言われると思ったのに、例えば……いや、止めておこう。自分で自分は傷つけたくない…… 少女はそれっきり何も言わず、僕も特に弁解などせずに無言のまま、いつも通りに過ごして、いつも通り下校した。 家に帰ってベッドに横たわりながら、少女の言った事の意味を考えてみたけど、どんなに考えても何も分からなくて、気づいたら寝ていた。 だけど、この日の出来事がキセキの始まりって事に気づくのはまだしばらく先の話……
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