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はじめまして、俺の名前は美並幸平。どこにでもいる高校一年生だ
入学式から早一ヶ月。ただただ流れる毎日。つまらない事このうえない
「いただきます」
今日もいつも通りあの何のへんてつもない学校に行き、面白くもなんともない授業を受け、家に帰って食って寝る。そんな退屈な毎日
朝飯を食べ終え、荷物を持って家を出る。学校はそれほど遠くない場所なのでゆっくり歩いて行ける
いつもはお節介な幼なじみが迎えに来るのだが、ちょっとした変化をつけるためにあえて先に学校に向かってみる。まぁ、学校で会うからさほど変わらないわけだが
「(はぁ・・・なんか変わったこと、起きないかなぁ)」
だが俺はこの時、こんなことを考えたことを後悔することになるなんて思いもしなかった
◇
月華私立賭場高校。俺が住んでる月華市内でも屈指の大きさを誇る学校だ。ちなみに高校の名前は理事長が賭博好きという理由だそうだ
それは校内には賭場紛いの巨大遊技場があることが証明している。これだけは特殊だが、俺は行かないので興味はない
俺の在籍している1―5の教室に到着し、自分の席に座ったが朝のホームルームまでまだ十五分も時間がある
「(・・・・・・暇だ。超暇だ)」
「あ!ちょっとコーヘイ!?なんで置いてくのよ!待っててくれたっていいじゃない!」
「別にいいだろ~?どっちにしろクラス同じなんだからさ~」
彼女は賭山雀。俺の幼なじみでこの学校の理事長、賭山双六の孫だ
「まったく・・・・・・次置いていったら承知しないから」
「はいはーい。わーってるわーってる」
「分かってないでしょ、絶対!」
「分かってるってのー」
はっきり言ってコイツは昔から相当なお節介だ。ちょっとしたことで心配するし、ちょっとしたことで怒るし。いい加減少しは距離を置いてはくれないものだろうか
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