壱:落下物注意報

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「・・・・・・時間を越えて未来に来てしまったのかと・・・・・・」 「・・・・・・どういうことじゃ?」 「つまりその・・・・・・あなたが実際に生きていた時代は今となっては何百年も昔の話という・・・・・・ことです」 「・・・・・・・・・」 信長さんはうつ向いて黙ってしまった。無理もない。自分の知っている場所や景色も仲間も知っているものがほとんどない遠い未来に一人で来てしまったのだから 何と声をかけたらいいのかわからない。でもその小さくて震えている肩を見たら声をかけずにはいられなかった 「あの・・・・・・信長さん・・・」 「・・・・・・・・・・・・くくっ」 「・・・・・・・・・信長さん?」 「ブワッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!」 大爆笑だ。とても大きくて元気で楽しくて仕方がないような満面の笑みだった 「・・・・・・へ?」 「さようかさようか!愉快じゃ愉快じゃ!時を越えてしまったならそれでよし!今から兵を集め、天下を取ればいいだけのこと!なぁにワシにかかれば未来じゃろうが何じゃろうが関係ないわ!」 ・・・・・・心配して損した。信長さんは隣の家まで届くような大爆笑を終え、一息ついたがまだニヤニヤしている 「さてさて、未来とやらがどれほど進んだ世界か調べて調べて調べつくし、その上で計画を寝るかの!」 「・・・・・・でも住むところはどうするんですか?」 「何を言っとる。ここに住むに決まっておろう?光栄なことじゃぞぉ。いずれ天下を取るワシが住んでやるのだからな!」 そーですよねー。そーなりますよねー。俺はタメ息をついて項垂れた 「異論は認めん!というわけでよろしく頼むぞ!ワシの未来で最初の臣下よ!ハッハッハッハッ!」 信長さんはまた満面の笑みで笑い、とても嬉しそうだった すみませぇん、変わったことなんていらないから俺の平和を返してくれよ。なぁ、神様ぁ こうして、俺の平和で退屈な日々は見事に完全粉砕されたのであった
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