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-虚ろな記憶-
「誰か…誰かいないの?」
暗闇の中、独りの少女がさ迷っていた。
家にいるはずなのに、どこか別の場所にいる気がして落ち着かない。
ズズズ…ズズズ…
何かを引き摺る音?
「…イ……ちよ」
誰?
「レイ…こっちよ」
これは…お母さんの声だ!
どこから?
キッチン…浴室……リビング!
「お母さん!」
そこには見知らぬ男がいた。
「娘さんのお出ましだ」
口元には、牙のような歯をちらつかせながら、こっちを見て微笑んでいる。
足下には…
「な…何してるの?何をしたの!?」紅く染まったシャツに身を包め、ぐったりとしている人の姿があった
「お母さん!!!!!」
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