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とある老人は孤独であった
町外れの寂しい土地にひっそりと暮らしている
『不気味』
『変わり者』
『近寄れば何をされるか分からない』
町の者達はヒソヒソと
彼の噂を囁き合う
ある日、老人は思いついた
「楽しいカラクリ人形を作れば、町の子供達を笑顔にできる
私の作ったカラクリ人形を愛して貰えたらな
私は孤独のままで良い
いや、私の想いを込めたカラクリ人形が愛されたなら
私は孤独では
なくなるんだ」
孤独の老人は決して
変わり者でも不気味でもなく
誰かを傷つけたりもしない
ただ
ただ、自分の世界を大事にし
それを誰かに、皆に分かって欲しかっただけ
けれども老人の声には誰も耳を向けなかった
他の者には理解できない
恐怖でしかなかったのだ
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