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僕は夜が嫌いだ。
暗くて、静かで、自分しかここにいない気になるから。
だから僕は今の街での生活が嬉しい。夜になっても明かりが消えきることはないから。
昔はよかったんだ。君という光がいたから。
だけど君は今はもういない。もう、帰って来れないよね。
こんな弱虫な僕だけど、時々、本当にまれに夜空を見たくなる時がある。大抵、君のことを考えていた時だ。そう言っている今も君のことを考えている。
そりゃそうだよね。わざわざ夜空を見に来てるんだから。
今日は満天の夜空だよ。
君はよく言っていたよね。星が輝くのは、天から見つめる人の涙なんだって。
その時は君を馬鹿にしたけど、どうやら僕は信じ込みやすい性質みたいだ。
だって、今、こうやって空に向かって話しかけているんだから。
「おい!! もう行くぞ!!」
「ああ!! 今いく!!」
とはいえ、流石に友達に見られると恥ずかしいからこれ以上はやめておくよ。
もっと言いたいことがあるけどね。それはまた、そっちにいった時にする。
だから君は上から見ててよ。君がうらやましがるくらい楽しんでくるから。
そうだ。一つだけお願い。
僕が君を見つけるまでは輝き続けてくれ。
絶対、見つけだすから。
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