第1話

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ドアに押し付けられる形のままに交わされるキス。 竜の唇は思ったよりも熱くて、ただあわせているだけなのにクラクラする。 「…何か悩んでる?」 「何で?別にそんな事ないよ?」 やっと離れた事で竜と至近距離で目が合う。 その瞳は不安で揺れている様に見えた。 「…ごめんな。」 何に対してのごめんなのか。 聞かなくてもわかった。 人には言えない間違った関係。 竜はその事で私が悩んでると思っているんだ。 でもそんな事ないよ? 私は竜が好き。 竜も私の事が好き。 それだけじゃダメ? 竜の不安を取り去ってあげたくて、今度は自分から唇を重ねた。 腰に手を回されてさらに近づく距離。 残りわずかになる時間を忘れそうになるくらい、私達はキスを繰り返した。
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