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沈黙している私に、お姫様が追い詰めるように問い掛ける。
「噂が本当かどうか知りたいんです……答えて下さい」
答えは、ある。
それを目の前の彼女――伊出さんに言えばいいだけ。
そう……言えばいいだけだけど……、
なーんで私が、中学生みたいな茶番に付き合わされなきゃいけないの!?
「あのね――……
噂がどうであれ、それを私に問い掛けるのは間違ってる。
貴方が答えを聞くべきなのは柿坂でしょ?」
「そ、それは……そうですけど……。で、でも!」
「答える筋合いがないから、二度とそんなくだらない質問、私にしないでくれる?」
「えっ……でも……」
「耳が悪いの? それとも頭が悪いの? もう一度同じこと繰り返し言わせるつもり?」
「あ、わ、分かりました……し、失礼しま、す……」
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