y+1=彼女の気持ち

4/12
前へ
/26ページ
次へ
  月曜の夜の『彼氏に振られました。残念ですが何か?な反省会』は早々にお開き。 月曜から飲んだくれてられる程、若くない自分がいる。 「まー、よく言うよな? 人間歳をとると円くなるってさ」 「私にババアになるまで振られ続けろってこと?」 「嫌なら、今すぐ口の利き方を改めるんだなー。 じゃ、お疲れ」 「おつかれー」 「あー、明るい道歩けよー」 「柿坂!」 「んー?」 「……付き合わせて悪かったわね」 「……あのなー。 そう言う時は、感謝を述べろ。 ついでに乳揉ませてくれたら、また奢ってやる」 「死んでしまえ!」 「そんだけ元気になれば、すぐイイ男は見つかるから、今夜はメソメソするなよ!」 「さ、最初からメソメソなんてしてない!」 「そういうとこ、お前らしくて、俺は好きだよ!」 「なっ! ……恥ずかしいからもう喋るな!」 「はいはい。おやすみ」 笑いながら改札に消えて行く背中を、ありがとうって思いながら見送った。 ――私は素直じゃない。 そんなこと、振られる理由にされなくたって知ってたよ。  
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加