第一章 時田先生と桐島

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「ここはこーなります」 頭をかきながら時田先生は説明した。 6月の中旬。 教室の窓をたたく強い雨は、どうも止みそうにない。 窓側の席に座ってる桐島は、雨をみながら大きなため息をついた。 「どうして僕のクラスの担任がこんなチャラ教師なんだろう。」 時田先生は、他の先生とはちょっと変わっていて生徒とまじっていても違和感がない。 むしろ、がり勉君と並んだらどっちが先生なのかわからないくらいだ。 授業はめんどくさいけどお前らに教えなきゃならない義務がある。とか、 好きで先生になった訳じ ゃないけど三年間続けてる。とか…。 そんな訳のわからない先生をみんな担任になりたかったって騒いでる。 出来ることなら担任をかえてほしいくらいだ。 桐島は先生とは逆タイプでなんでも真面目にこなし、成績やテストの順位も上位のほうである。 桐島と時田先生は一言で言えば「性格が合わない」のだろう。 桐島は担任がかわってくれることをいつも願っていた。 彼の一日は、そんな願いはかなうこともなく はかなく過ぎていく…。
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