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ある小学校での事、事件が起こったのは給食の時間であった。
給食中の教室で突然、校内放送用のスピーカーから凄まじい音量のサイレンが流れ出した。
音は「ウーン」という感じの機械的な音で、不安を掻き立てるような音調である。
教室の子供達は騒然となったが、教師は至って冷静で、「今日は何の日か知っているか」子供達に質問した。
教師の話によると、本日○月○日はこの小学校が空襲された日で、グランドに作られていた防空壕に焼い弾が落ちて多くの方が亡くなったそうだ。
平和教育の一環として空襲を知らせるサイレンを流して、当時の小学生がどのように感じていたかを知ってもらいたかったということだ。
それを知って安堵に包まれた教室であったが、数人の女の子の様子がおかしくなっており、床に倒れ込んでぐったりしていた。
「大丈夫!?」友人が体を揺すると「熱い!痛い!!」と言ってもがき出す始末。
本当に空襲にでも遭ったかのように「怖いよう!!」「お母さん!!」等と言って、女子生徒を中心に絶叫がこだました。
教室がパニックに陥り恐怖が伝播したのか、10人くらいの生徒が教室を飛び出してトイレの個室に閉じこもってしまった。様子がおかしくなった生徒達は教師達に保護されて保健室に運ばれた。その後、それぞれの保護者が学校に呼ばれて早退して行った。。。
この抜き打ちの空襲サイレンは生徒の精神状態への悪影響を鑑みて、その後二度と実施されることは無かった。
様子がおかしくなった原因であるが、集団ヒステリーが発症したのか、当時の被害者の霊が取り憑いたのか定かではない。
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