第参章

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その精は、ゆっくりとこちらに近付いて参ります。 背中に闇を引き連れて。 精は言います。 「これだけは言うまいと思ってた。佳伊のように僕が土に還るまで。」 精は優しい手つきで、姉の墓に触れました。 「佳伊が、死んだ時のことを覚えているか?」 私は首を横に振り、本当は正確な死因さえも知らないと言いました。  
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