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今ではすでに暗黙の了解の下…更科が秀一郎の秘書まがいのことまでこなす始末。と言うか本業は秘書か?と思ってしまう程そちらが中心になっている。
まさか…こんな男にこんなに振り回されることになるとは…
端から見ればちょっと怪しいセリフだが、正にこれが今の更科の気持ちである。
本当はプライベートくらい秀一郎から解放されたいものだが、そうはうまくはいってはくれない。
若干…本当に若干だが秀一郎から司を奪った…という引け目もある(実際は奪ったわけではないけれども)。
目の前で涼しい顔をして笑う秀一郎には勝てる気もせず、更に美緒が+αとなれば無限大…
更科はようやく諦めて、出前を頼むためにため息を吐きながら腰を上げた。
「ねね、式はもう決まったの?いついつ?」
更科が電話口へ立ったのと同時に美緒が聞いてくる。
「あ、式は秋ぐらいになると思う。籍もそれに合わせて入れようかーって話してたんだ。」
「えー半年も先じゃな~い!もう会社も辞めて半年以上経つのに随分と渋るのねぇ…」
「それがさ~すっごい良いホテルがあってそこでしたいんだけど…やっぱ素敵だから人気あって。予約沢山なの。運良く秋に良い日取れたから…予約したのだって3ヶ月前だもん。」
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