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「へぇ…そんな結婚する人いるんだぁ。てかさ、司のおじさんとおばさん、大丈夫だった?あー俺も久しぶりに会いたいなあ~」
何かを思い出すように秀一郎が呟いた。幼い頃からお互いのことを知っている仲だったので、洋介との過去を知った上での反応が余計気になるらしい。
「あぁ~…別に嫌ってるとかそんなんじゃなくて…すっごい警戒してた。2人とも…」
ハハ…と苦笑いを浮かべているのを見れば、両親は相当頑なになっているに違いない…ということを想像させた。
可愛い一人娘がまた捨てられるのでは…と心配するのは当たり前で。更科もそう覚悟をした上できちんと挨拶に訪れた。
お互いに向かい合って座った時、父はしばらく無言で更科を見つめていた。
母も何だか窺うような視線を向けていたが、先にほだされたのは母の方。
ちらほらと会話を交わしていたようだ。
司の弟はたまたまその日外していたので会えなかったが、きっと姉の結婚相手は気になっているに違いない。
とても夕飯を一緒に…なんて言いだせるような雰囲気ではなく、暗くなる前には家を出た。
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