LOVE

15/18
前へ
/107ページ
次へ
「………?」 咄嗟に見上げると、瞬時に口を塞がれた。 軽く重ね合わせるだけの唇に応えるように身を委ねる。 そして唇を僅かにだけ離し、吐息すらかかるその距離で更科が呟く。 「…癒して。」 「………どうやって?」 「………………こうやって。」 そしてまた… 熱を帯び段々と深く求める口付けに、以前よりはうまく応えられている…と、思う。 静かな空間の中、湿った音を響かせて歯列をなぞる。 「…ん…ぅ…」 更科がふと体ごと唇を離し、司の顔を覗き込んだ。その際…本人は無意識なのかわからないが、更科は自分の唇をぺろりと舐めた。 …え…えろい… こんな時、いつもまともに更科を見られなくなる。 見つめる視線が かかる吐息が 触れる指が… 全て…熱い。 普段鋭く優しい眼差しが、途端に獲物を狙う甘いものに変わる。 その真っ直ぐに向けられる視線が恥ずかしくて、未だにあまり直視できない。 しばらく司の顔を覗き込んでいた更科だが、ゆっくりとその沈黙を破った。 「……司。」 「…な…に…」 「…前から…気になってたんだけど…」
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6007人が本棚に入れています
本棚に追加