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「…え？」
「何で…我慢する…？…声。」
「…！」
バレてる…！
やや遠慮がちに問い掛けてくる更科の服をぎゅうっと掴んだ。咄嗟に俯いた顔が上げられない…
今、この顔を見られたくない…
「…司？」
耳まで真っ赤になっていることが、図星を当てられた証拠。やはり聞くべきではなかったかとも思ったが、一応男としてのプライドも…ある。
更科は意を決して問い掛ける。
「…何か…あるなら、言ってほしいし…。あんまり良くない…？」
司の顔が一瞬更にかぁっとなったが、しかしはっきりと首をぶんぶん振った。
「…と、じゃあ…やっぱ…我慢…？」
更科の服を掴む手に更に力が入る。
誤解…誤解させてる。
男の人にそんなことを思わせてしまうなんて。
少し心配そうに、そして気を遣いながらも聞かずにはいられないくらい気にさせてしまった。
そのことを悔いながら、司は消え入りそうな声で呟いた。
「……は…」
「…は？」
「…は…………恥ず…かしく…て…」
「………。」
言った。
言えた。
そう、司はこんな時いつも自分の声を押し殺していた。どうやら完璧にバレていたらしい…
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