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幼かった彼はほのかに芽吹くそれが恋心なんて知る由もなく、身体がどんどん成長していくにつれ、その気持ちにも少しずつ自覚していった。 頭が良かった秀一郎のおかげか、とにかくイタズラが好きだった。 そして出会って数年後に司に弟ができ、これまた愛くるしい顔立ちで2人から3人に増えた仲間で常に一緒。 近所の人たちからはよく天使のような顔をした悪魔と呼ばれ、近所の家のポストに土を詰め込んだり、飼っている外犬に油性のペンで落書きしたり… 2人でさえ手を焼いたのに、3人になってからは益々ヒートアップして悪童と呼ばれるようになった。 そんな中秀一郎は幼稚園時代からモテっぷりを披露し、遅れて入園した司もまた同じ。 小学生にあがる頃には、すでに自分の容姿がどれほど魅力的で、どれほど周囲に影響を与えるものなのか…それを理解していた。 この頃すでに司にご執心である。 何ともませた子どもだ。 しかし司は相変わらず鈍臭い子どもで、秀一郎の気持ちはおろか、好きって何?くらいの感性の持ち主。秀一郎は子どもながらにどうすれば司が自分に興味を持つか、そればかり考えていた。 クラスの中にどんなに可愛い子がいても目もくれず、挙げ句クラスの女子を芋扱いして女子を敵に回したのはまた別の話。 そして司も小学校にあがり少しした頃─── ちょっとした事件が起こる。
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