LOVE

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「…荷物ならもう運び終えた。」 あとは荷解きをするのみ。暗に来るのが遅い…そう言っている。 それに気付いて、美緒の後ろからひょこっと現れたのは秀一郎。何だか申し訳なさそうに苦笑いしている。 「ごめーん、美緒が13時に行くって言ってあるって言うもんだから…」 「あれ?秀ちゃん!2人一緒に来たんだ!」 「うん、俺たちも待ち合わせて車に乗せてきたんだ。どうせ同じ場所行くならせっかくだしと思って。」 「そっかぁ~」 ほっこりしている司の顔を見て、更科も静かに微笑んだ。 かれこれ仕事を辞めてから、2人とは一気に会えなくなった。 別に会えないわけではないのだが…職場で会うか会わないか、それだけでこうも違うものかと少し悲しくなった。 ようやく司の引っ越しの段取りもつき、その手伝いとして美緒と秀一郎に久しぶりに会える! それが決まってから今日までずっと楽しみにしていた。 「まぁまぁまぁ、"彼氏"になった途端堂々とそんな甘~い顔するようになったのネ!」 「美緒、そこは気付いてないフリをしてあげないと。」 そんな密かな微笑みを目ざとく見付けた美緒が黙っているはずがない。そして秀一郎がそれに便乗しないはずもなかった。 「………。」 「…虎太郎…さん…?」 固まる更科を見て美緒と秀一郎はケタケタと笑う。 この2人が揃えばいつもの冷やかしが2倍…いや、4倍になる。
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