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変化のないそよ風よ
何気ないその接触が
人生のレコードとなる
それは毎日知らず
恥もせず 触れ合う
時に 後押しとなり
時には 押し止める
傷付かせてまで 羽を広げさせないのか
周りに危害を加えて睨まれようとも
俺に何かを伝えるのは何故?
静寂な世 暁の月
空を閉ざし虚ろな瞳に
悪夢が呼び覚ます
がむしゃらに引っ掻いた生身
傷を堪えての繰り返し
過去に捕われた身体は
動かし方さえ去っていた
この胸の温もりの面影は
一切消えた
必要無い 強き者に 甘さは要らない
初めは家族 次は己
荊の城は 他人の血肉と己の欲情を吸い取り
美しく飾る
不気味と言われようと
この価値は我しか解らない
薔薇に絡め取られた白い壁
迷路のような緑の庭
その外は 名の無い墓石がそびえ立つ
権利以外を捨てた王に
望みはもう無い
そう きっと………
誰かが 風を起こすまで
風は言った お前は王者
他を寄せぬ非情な城に羽は無い
それでも進むなら 免れぬ血の定めが待っている
歓喜は滅ぶ
裏切りの眼差し
俺は言った
己がための物語に何がある?と
それは関わりを捨てた
王のレコードを知る者が言える言動
荊を受け入れ痛みに他人の情を中和させる
それが人
風は微笑み 消えた
桜を舞い 祝福す
ダレガタメ
それは強弱
正せば王
崩せば軟弱者
孤独は城
群れは町
風は伝う
心を試して 周囲を舞う
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