2人の花魁

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  「お前……人を馬鹿にするのも大概にするんだね!!私をそこらの遊女と一緒にすんな!!」 「ひっ!!」 凄まじい剣幕で睨み怒鳴る揚羽。 彼女の怒りの表情も、また、周りには美しく見えてしまう。 野次馬の男達が、そっと頬を赤く染める。 「いい加減におし!!お客様に何て無礼な真似をするんだい!!」 「婆は引っ込んでろ!!」 客から揚羽を退かそうとする遣り手に、揚羽は掴まれた腕を振り払った。 「そんなに私を床に行かせれたければ、今払ってる花代<ハナダイ>の数十倍の花代を払うんだね!!」 そう言って、客から退き、揚羽は知らん顔で、その部屋を退出してしまった。 残された客は、部屋を自ら出て行く揚羽をポカンと口を開けて眺めている。 部屋を出て自分の部屋に戻ろうとする揚羽の元に、可愛らしい容姿をした遊女と35前後の男性が、仲睦まじく歩いていた。  
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