81人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前……人を馬鹿にするのも大概にするんだね!!私をそこらの遊女と一緒にすんな!!」
「ひっ!!」
凄まじい剣幕で睨み怒鳴る揚羽。
彼女の怒りの表情も、また、周りには美しく見えてしまう。
野次馬の男達が、そっと頬を赤く染める。
「いい加減におし!!お客様に何て無礼な真似をするんだい!!」
「婆は引っ込んでろ!!」
客から揚羽を退かそうとする遣り手に、揚羽は掴まれた腕を振り払った。
「そんなに私を床に行かせれたければ、今払ってる花代<ハナダイ>の数十倍の花代を払うんだね!!」
そう言って、客から退き、揚羽は知らん顔で、その部屋を退出してしまった。
残された客は、部屋を自ら出て行く揚羽をポカンと口を開けて眺めている。
部屋を出て自分の部屋に戻ろうとする揚羽の元に、可愛らしい容姿をした遊女と35前後の男性が、仲睦まじく歩いていた。
最初のコメントを投稿しよう!