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「……グスン……」
部屋に戻ると私のベッドの上で彼方が泣いていた。
いろいろなんで、と思うが、気にせずスルーする事にする。
兎にも角にも直ぐに着替え始める。
するとパジャマのボタンを外し始めた瞬間、彼方が飛び起きた。
涙目のままだったので、少しトキめいてしまった。
「カナの気持ちが……春!遂にカナとまぐまぐしてくれる気になったんだね!嬉しいよー!春ー!」
はいすみません気の迷いでした。
ベッドの上でキャーキャー騒ぐ彼方を後目に、私はさっさと着替えて部屋を出て行く。
本気で襲われかねないしな。
彼方が、神出鬼没になってから初めて、自分の早着替えというスキルに感謝するようになった。
何事も無駄って事はないんだな、うん。
そう考えながら、私のベッド上でくねくねしてる発情少女を放置し、部屋を出て行った。
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