半年後

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「……美味い……なんでただのハムエッグがこんなに深みが出るんだ?」 「ふふ、そう言って貰えると嬉しいよ」 彼方を除いた皆で朝食をとる。 フレンチトーストにハムエッグ、サラダといった変哲もない朝食なのだが……美味い。 隣で武司の膝に座る夏も表情を綻ばせている。 そうそう、実はこの二人付き合っている。 付き合っているとはいえ、性的接触は皆無らしいが。 武司は武司でそう言うのに興味ないというし、夏は純粋すぎて知らないというし。 男なのに興味ないと言うのは怪しい所だが、実際なにもないから認めざるを得ない。 今も夏がえへへと可愛らしく笑っても、口の端を吊り上げるだけで黙々と食事を続けている。 二人ともそれで満足しているらしく、私には何も言えないが……結婚や子作りできるのか、と少し心配である。 「カナは春と合体したい!」 「断る」 突然現れた彼方に驚く事なく切り捨てた。
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