プロローグ

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「じゃあ……付き合って……?」 そんな彼女に対し、小さく唸る。 「けど……問題があるだろ?」 そうだ、彼女との間には大きな問題がある。 それは覆し得ないものだ。 しかし彼女は言う。 「そんなの、関係ないよ!」 そんな彼女に、ああ、無駄だと思った。 きっと彼女はもうこの考えを曲げない。 けど、やはりこの問題は決して軽視する事は出来ないだろう……と。 最後の抵抗として言わせてもらう。 「付き合える訳がないだろう……」 「なんで!?」 ぐいっと顔を近付けてくる彼女。 そんな彼女にたじろぎ、一歩後退りながらも肩をおさえて突き放す。 深呼吸。 気持ちを落ち着かせて、今の考えを彼女に伝える為に小さく息を吸う。 そう……私は……。 「私達は女同士だろう?」 「一番どうでもいい事じゃん!」 「一番大事な事だろうが!」 常識の通用しない幼なじみに、思わず深い溜め息をついた。 ---それから半年。
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