半年後

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因みに武司は秋山家の長男で、双子の兄。 そしてその双子の片割れは……。 「すきありぃっ!」 「させるかぁっ!」 突然背後から伸びた手を右に飛んでかわし、そのまま右足で勢いをつけて左足を軸に反転。 その勢いのまま、右腕を背後に叩き込んだ。 「あべしっ!」 腕をモロに顔面にくらったそれ……秋山彼方は変な悲鳴をあげて床にゴロゴロと転がった。 「毎日春は俺の妹と楽しそうだな」 「そう思うなら眼科と精神科に行く事をオススメしとく」 私はそう言ってから顔を洗うべく、洗面所へ向かうのだった。 「ふぅっ……」 水はもう大分冷たく感じるようになってきた。 そのお陰か、大分身が引き締まる。 春先……彼方に告白されてから、毎日のように付きまとわれている。 朝起きたらいるし、襲われかけたのも星の数だ。 まだファーストキスを守れているのが、不思議なくらいに。 しかし、私が素っ気ない態度をとるからだろうか。 段々と彼方の行動が、エスカレートしていってるような気がする。 「まったくやれやれだ……」 そう言って小さく溜め息を吐いた。 その時、洗面所の扉が静かに開いたのだった。
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