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「……ふにゅ…………」
人間らしからぬ言葉を呟きながら入ってきた女の子は……中宮夏。
私、中宮春の妹だ。
長めの髪をポニーテールにしてる私とは違い、うなじが隠れるか否か辺りで切りそろえている。
小顔で愛くるしい童顔をしていて、小動物のような雰囲気を出している。
のんびり屋で常にぽやぽやしてて目が離せなく、保護欲を駆り立ててくる。
その見た目と雰囲気のせいで、実年齢以下に見られるのはいつもの事だ。
そんな夏の背は私より一回り小さく、155センチだ。
ちなみに彼方は150である。
夏に背を追い越された時の彼方の哀愁感漂う顔は、今も鮮明に覚えている。
「おはよ、早く顔洗っちゃいなさい」
「んゅぅ……」
夏は目をこしこしとこすりながら、ゆっくりと頷く。
そしてとてとてと近付き……。
「お姉ちゃんー……!」
何故か私の背中に抱きついた。
同時にとても柔らかいものが、背中に押し付けられ、ぐにゃりと形を変えたのがわかった。
わかるだろ?
胸だよ。
夏は私と同じ歳ではあるが、実際ほとんど一つ下みたいなものである。
更に見た目のせいで三歳年下に見られるのもざらだ。
しかしだ。
夏には一つだけ年相応……いや、ある意味で年不相応なものがある。
それがEカップもある胸だ。
しかもF寄りの、である。
小学校から大きさの変わっていない彼方が、それを聞いた時に泣き出した時は本気で焦った。
抱きつかれ、押し付けられてて嫌という訳ではないが、姉として時折悲しくなったりもする。
まぁ、夏が最愛の妹であるのは変わらないんだけどな。
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