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「おねがい……わたしを…ひとりにしないで」
溢れた涙はそっと彼女の頬をつたい、地面上に雫となって弾ける。
幾瀬の間、孤独しか味わうことの出来なかった彼女にとって……今の俺の存在は、追い求めていた結晶そのものなのだ。
割れ物を扱うかのようにそっと、頭を優しく撫でてやった。
慣れない笑顔で、ニッと悪戯っぽく笑ってやる。
「大丈夫だ。俺がお前の居場所になってやるから」
その言葉に、ふと頭をあげた彼女の表情は……。
宝石のような涙を流している時より――
ずっと、輝いて見えた。
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