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午後4時50分。
傾くのが早くなった眩い夕暮れに照らされて、視界が少し漂白する。
しかし、今日は長かった。非常に長かったぞ授業……!
七時間授業とか、もはや拷問なんじゃないのかと俺は思う。
……まぁいい。明日からは楽しい楽しい冬休みだ。キャッホイっ!だな。
さて、さっさと――。
「恭さん。良かったら今日、ゲーセンで遊んで帰らない?」
と、お帰り準備をしていたところで、後ろから純一の声が響く。
正直に言えば、非常にOKしたかったのだが。
「悪いな純一。今日は『お仕事』がある」
「えー?またか恭さん?夜のお仕事、しかも不定期。どう考えても危なそうじゃないか」
「そういう仕事なんだ。……一人暮らししている俺にとって、この仕事はうってつけなんだよ」
「…そっか。まぁ分からなくもないし、今日は諦めるよ。それじゃまたな恭さん」
少し残念そうに純一はそう言うと、まだ教室に残っていた女子二人の方に向かう。
そしてあっさり、同帰の承諾を得たようだった。心なしか、彼女たちが頬を染めているようにも見える。
…イケメンなんて死んでしまえっ!
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