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「……なぁんてな」
思わず自嘲気味に笑う。
なんだかんだ言って、モテる奴も大変だ。女子に囲まれて動けなくなったり、面倒なときに絡まれたりその他もろもろ。
プラスの方に傾くとは、今のところ一切思えない。
純一の奴も、大層愛想よくやっていると思う。
「さて……」
定刻までは、あと二時間。
ゆっくり買い物をして帰っても、三十分ほどは余裕をかましても準備が出来そうだ。
「今日は肉じゃがにしようかなー」
ふと脳裏に過った、甘辛く香ばしい匂いのあの料理。
それは俺が初めて作り――そして、初めて人に食べさせた料理でもあった。
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