プロローグ

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「……」  俺としては珍しく、東京の実家の方にいる――幼馴染の姉妹と兄を思い浮かべた。  この町に俺が単身で来て、かれこれ五年は会ってない。  どことなく懐かしくもあり、そして共に鍛錬・・した仲でもあった。 「ま、今更だな」  首を振り、今までの脳内構想を料理へとシフトする。  今日の肉じゃがに、どんなアクセントを付けようかと思案。  何がいいかな?俺的に、糸こんにゃくは外道だ。これは絶対。 「う~ん……、あ~、グリーンピースでも入れっか。うん、そうしよっと」  黄昏時のある窓際の教室で、そっと虚空に呟いた。
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