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ーーー時間をとばして下校
「下校はやっ!」
「やるきあんのか?」
だって思いつかないんだもん
「まあ、いいか…」
ーーーーーー
「今日泊まらせろ」
「は?」
校門を出たあと萩が突然言い出した
「は、じゃねぇよ。泊まらせろっつってんだ」
「いつ?」
「今日」
「だれが?」
「俺が」
「どこに?」
「お前ん家に」
「……どこに?」
「お前殴るぞ」
ひくひくと頬をひきつらせながら言うと萩
「部屋汚い」
「いつもだろ」
「おま、ひでえな」
「んで、泊まっていいだろ?」
「ま…久しぶりだし…良いけどよ」
最後に萩が廻李の家に泊まりに来たのは随分前だ
「また泊まりにきて欲しいと思っていたから丁度よかった」
廻李がそう言うと何処からか声がきこえてきた
「ふたりだけでお泊まりとかずっるーい!!」
「ちっまたかよ糞餓鬼」
萩の目線をたどると コンクリートの上を歩く少女…いや、女装をしている少年、楓がいて、その後ろにはパッツンの少年、雷がいる
「とうっ」
スカートを押さえながらコンクリートから飛び降りると びしっと指を立てながら
「ボクも泊まる」
と言い出した
「楓さんが泊まるなら僕も泊まります」
ゆっくり降りてきた雷までもが言い出した
「え、俺は別に良いけど」
ちらりと萩を見るとわなわなと震えていた
「しゅーちゃんいいよね?」
にこりと笑って楓が言うとぴくっと頬をひきつらせた
「ま、おれん家に泊まるんだ、嫌とは言わせないけどな」
廻李がそう言うと萩は諦めたように肩を落とした
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