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「くっ…は…ぁっきつ…い…」
「ん、なんだ…もう息が上がってきたな、ギブアップか?」
「だれが、んなこと…言った…っはぁ…っまだ…やれるっつーの」
「もうここも辛いんじゃないか?」
「やめっ、ばかっんなとこ、さわるな…っ」
息を切らせ立ち漕ぎをしながら、必死にペダルを漕いでいるのは廻李
その後ろの荷台に座ってにやにやしながら廻李の足を触りながら話しかけている萩
そう、熾烈なバトル…それは じゃんけんで勝敗をきめるものだったのだ
負けた方は人を乗せた自転車で急な坂を登るという辛い罰があるのだ
これの言い出しっぺは廻李だった
「今日で5連勝か…らくなもんだな、なあ廻李」
「るせ…っ気が散る、黙れ!」
「ほら、あと10分しかないぞ 遅刻したら廻李のせいだからな」
「わかってるっつーのおおぉぉ!!」
萩の言動に苛々しながらぐん、と思い切りペダルを踏みしめスピードを速める
「おー、いい風だなーはっはっはっはっは…」
「黙れええええぇぇぇぇ」…
萩の爽やかな笑い声と廻李の叫び声を響かせながら校門に突っ込んでいった
ーーーーーその頃、校舎では
「あ、廻李と萩の声だ」
「まったくー、あの人たちはまた遅刻ギリギリですか…」
「多分廻李が負けたんだろうね」
クスクスと笑う2つの影が窓から廻李たちをみていた…
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