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ガラッ
廻李と萩が教室へ駆け込み、きょろきょろとあたりを見回すが教師の姿はない
あるのは生徒の笑い声とざわめきだけだ
間に合ったのだ
ふっと息をはいて廻李はふらふらと席に凭れ掛かる
「ふいー…疲れたぁ…足いてー…」
ネクタイを緩めてタオルで汗をふいていると
「間に合ってよかったな」
と、萩は廻李をみてくすっと笑い
「お疲れさん」
といいながら隣の席に座って鞄から教科書やノート、筆箱を取り出す
「萩ー、ポカリくれ、ポカリ」
「はいはい…にしても相変わらずここはうるせぇな…っ!」
萩がぼそりと呟くと、なにかを感じたようにぴくっと肩を揺らすと同時に
「小中高といっしょだから仕方ないよ、それに精神年齢が低いガキが沢山だし、ボクみたいな可愛いくて大人しい子はいないからねー」
と、スカートを揺らしながら歩いてくる、かわいらしい人物と
「楓さんは全然可愛くも大人しくもありませんー」
と同じくかわいらしい顔立ちをしているが学ランをきっちりきている人物が現れた
「楓に雷!なんでここにいるの?教室ちがうだろ」
ごくごくとポカリ飲んでいた廻李が顔をあげて嬉しそう言うと
「廻李と萩の声が聞こえたから来てみたの」
とニコニコしながら楓が答え
「今日も廻李さんが負けたんですよねー?」
と雷が問いかける
廻李が雷の言葉をスルーしていると
「はやく帰れ、糞餓鬼共」
と萩がしっしと犬を追い払うように手を降りながら言い出した
「えー、いいじゃん 前は一緒にいても何も言わなかったのにー」
楓がぶーぶーとほっぺたを膨らませ手を腰にあてて拗ねたように言うその姿はまるで女の子のように柔らかそうで、抱き締めたくなるような可愛さだ
廻李はこういうのに弱いが、萩や雷はうんざりだというような顔をしている
萩はある時から子供が大嫌いになり、雷はこんなのはいつものことだから見慣れているのだ
楓と雷は廻李の家の近所に住んでいる双子だ
小さいころはよく泊まりに来たりあそんだりしていた
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