1人が本棚に入れています
本棚に追加
「んなっ_」
フード少女が縄をパチンと鳴らす。
「…冗談よ。」
フード少女が縄を下ろす。
(た…助かった。)
フェンロは心底安心する。
「私も色々噂になっちゃってるから、貴方を持っていったら捕まっちゃうかもだし。」
「そっちかい!」
フェンロが鋭いツッコミを入れる。
「ところで、お主、何と申す?」
フェンロがフード少女に質問する。
「…誰でもいいでしょ?」
「良くないわ!名乗れぃ!」
フード少女は溜め息を付く。
「…白縫。」
「『しらぬい』と申すのか。良い名前じゃのぅ。」
「…そんなこと…無いわよ。」
(フードで良く見えぬが、明らかに赤くなっておるのぅ…)
「じ…自己紹介はこれくらいにして、貴方はこれからどうするの?」
フェンロが腕組みをする。
「むぅ。白縫に着いていっては駄目か?」
「…駄目。」
「何故じゃ!」
「_ったく。んじゃ、一人でいいからスリをしてきなさい。出来たら考えてあげる。」
「了解じゃ~!待っておれ!」
フェンロは大通りに駆けて行った。
(…大丈夫…な訳ないか。_ったく。)
最初のコメントを投稿しよう!