盗っ人少女とフェニックス

4/4
前へ
/60ページ
次へ
「痛っ!」 フェンロと誰かがぶつかる。 「テメェ、何処見て歩いてんだァ!?」 (ちょ_その人は駄目でしょ!) 白縫は速足でフェンロの元へと急ぐ。 「オイゴルァ小娘ェ!聞いてんのかァ!?」 「ヒヒッ、兄貴ィ。コイツ何か手に持ってますぜ。ヒヒッ。」 よく見る縦長の手下が囁く。 「アン?オイ小娘ェ!何持ってんだァ!?」 (何やってんの!?早く逃げなさいよ…) フェンロは男達に背を向けて固まっている。どうやらどう対応すれば良いのかわからないらしい。 そしてゆっくり振り返る。 「あ…はは…」 「ヒヒッ、兄貴。あれ兄貴の財布じゃねぇっすか?ヒヒッ。」 縦長手下が囁く。 「テンメェいい度胸してんじゃねぇか。」 男は銃を取り出す。 「死ぬ覚悟は出来てんだろうなァ!?」 銃口をフェンロに向ける。 そして引き金を引く。 「財布ちゃんと持ってなさいよっ!」 白縫がフェンロと共に横に飛びのく。 弾が白縫の右足に当たる。 「ぐっ…」 白縫がバランスを崩す。 「白縫っ!」 フェンロが叫ぶ。 「なんだテメェ。俺らに逆らおうってのか?」 男が銃口を白縫に向ける。 「…だから嫌だったのよ。貴方と行動するのは。」 白縫は俯いたまま言う。 「オイテメェ!聞いてんのか!?」 「ま、これも運命だし…諦めますかっ。」 白縫は天を仰ぐ。 そしてフードが落ちる。 (思った以上に…美形じゃのう。) 白髪ロング(アホ毛付き)オッドアイ(左赤右桃)。おまけに肌も雪のように白い少女の顔が現れる。 「ほほぅ。結構良い顔してんじゃねぇか。俺達と楽しい事してくれたら生かしておいてやってもいいぜェ?」 「ヒヒッ、兄貴。コイツ見た感じ初モノですぜ。ヒヒッ。」 「ククク…初モノ程楽しい事はねぇ…オイ嬢ちゃん!どうするよ?」 男達がニヤけながら問う。 「んー、遠慮しときまーす。痛そうだし。」 「チッ…じゃあ死ねェ!」 男は引き金を引く。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加