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「痛っ!」
フェンロと誰かがぶつかる。
「テメェ、何処見て歩いてんだァ!?」
(ちょ_その人は駄目でしょ!)
白縫は速足でフェンロの元へと急ぐ。
「オイゴルァ小娘ェ!聞いてんのかァ!?」
「ヒヒッ、兄貴ィ。コイツ何か手に持ってますぜ。ヒヒッ。」
よく見る縦長の手下が囁く。
「アン?オイ小娘ェ!何持ってんだァ!?」
(何やってんの!?早く逃げなさいよ…)
フェンロは男達に背を向けて固まっている。どうやらどう対応すれば良いのかわからないらしい。
そしてゆっくり振り返る。
「あ…はは…」
「ヒヒッ、兄貴。あれ兄貴の財布じゃねぇっすか?ヒヒッ。」
縦長手下が囁く。
「テンメェいい度胸してんじゃねぇか。」
男は銃を取り出す。
「死ぬ覚悟は出来てんだろうなァ!?」
銃口をフェンロに向ける。
そして引き金を引く。
「財布ちゃんと持ってなさいよっ!」
白縫がフェンロと共に横に飛びのく。
弾が白縫の右足に当たる。
「ぐっ…」
白縫がバランスを崩す。
「白縫っ!」
フェンロが叫ぶ。
「なんだテメェ。俺らに逆らおうってのか?」
男が銃口を白縫に向ける。
「…だから嫌だったのよ。貴方と行動するのは。」
白縫は俯いたまま言う。
「オイテメェ!聞いてんのか!?」
「ま、これも運命だし…諦めますかっ。」
白縫は天を仰ぐ。
そしてフードが落ちる。
(思った以上に…美形じゃのう。)
白髪ロング(アホ毛付き)オッドアイ(左赤右桃)。おまけに肌も雪のように白い少女の顔が現れる。
「ほほぅ。結構良い顔してんじゃねぇか。俺達と楽しい事してくれたら生かしておいてやってもいいぜェ?」
「ヒヒッ、兄貴。コイツ見た感じ初モノですぜ。ヒヒッ。」
「ククク…初モノ程楽しい事はねぇ…オイ嬢ちゃん!どうするよ?」
男達がニヤけながら問う。
「んー、遠慮しときまーす。痛そうだし。」
「チッ…じゃあ死ねェ!」
男は引き金を引く。
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