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(いつ以来だっけ…)
巨大な屋敷を見上げる灰色の髪の少女。
少女が屋敷の扉を開ける。
「灰鈴ちゃん…ですか。」
屋敷の中から老人が言う。
「ただいま。」
「おかえりなさい…」
「やっぱ家は落ち着くよ。」
灰鈴がソファーに寝転びながら呟く。
「まぁ久々ですからねぇ。_灰鈴ちゃん。これからどうするのですか?」
「どうするって…何を?」
「何かやることとか無いのですか?」
「んー、暫く暇かなー。」
灰鈴が漫画を読みはじめる。
「そうですか。暇ですか。」
(何か…不吉な予感がする…)
「灰鈴ちゃん。貴方のお姉様方のご機嫌伺いをしてきてください。」
「…は?」
「そしてこの紙に一言ずつ書いてもらってきてください。」
老人が色紙を取り出す。
「何で私が…」
「暇なんでしょう?」
老人が不敵な笑みを浮かべる。
「…で?皆何処に居るの?」
「皆放浪人ですからねぇ…あ、黄ちゃんなら港町のチャンピオンやってますよ。後、橙ちゃんは城下町の軍隊に居るそうです。あ、私はもう体の節々が痛いので行けませんよ。」
(完全に利用されてるわ…)
(フフフ…灰ちゃんは嫌々ながら必ず任務を遂行する子です…本当、良いタイミングで帰ってきてくれましたよ…)
「…ったく。」
灰鈴が紙を受け取る。
「んじゃ。ちょっくら行ってきますわ。」
灰色の少女は行く_
二丁の拳銃を持って。
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