第1話:過去にダイナミックエントリー!?

11/34
前へ
/34ページ
次へ
少女と褌一丁の男が出会っていた頃、屯所では騒ぎになっていた。 「近藤さんの行方が分からねぇだとッ!?」 煙管(キセル)を吹かしていた男、鬼副長で名を馳せる土方は、近藤が行方知れずと報告に来た永倉を睨み据えた。 「家に行ってみたんだが、姿がなくてな。 近所の人に聞いたら、かなり泥酔してたらしい…」 知り得ている近藤に関する情報を伝えるが、それでは行方知れずとは言えないと、溜め息を吐き出す土方。 「酔っ払って、どっかの道端でも寝てるんだろ」 泥酔した近藤がよくやる事だと、たいして気にも止めない土方は、永倉に向けていた視線を書簡に移す。 「でも、真冬だぜ? 泥酔してたら尚更、近藤さんを探した方が良くねーか?」 確かに…と、永倉の言葉に思案し始めた土方。 「確か…、 総司と平助が巡察だったな…」 隊の巡察表を取り出し呟く土方に、静かに頷く永倉。 「お前は、二人に近藤さんの事を伝えてくれ。 後で、手の空いている隊士を捜索に回す」 土方の指示に従い、永倉は部屋を飛び出した。 →
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加