第1話:過去にダイナミックエントリー!?

13/34
前へ
/34ページ
次へ
藤堂と沖田に近藤の事を伝えに屯所を出た永倉は、道行く人に近藤の事を訪ね回っていた。 「ゴツイくて、見た目がムサ苦しいオッサン見なかったか?」 「いや、見てねーよ」 「そうか。 ありがとうよ」 だが、目撃情報すら掴めない。 本来の目的である藤堂と沖田の元に向かった。 遠目からでも分かる新撰組独自の浅葱色の羽織が見える。 淡い栗色の髪を頭部の上で結った、幼い顔立ちの沖田に駆け寄る永倉。 「総司ッ!」 「新八さん! どうしたんですか? そんなに…、慌ててはないか」 「近藤さんが、またやらかしたんだよ。 で、巡察ついでに探せとよ」 永倉の言葉を聞いた沖田は、可愛らしい顔を歪めた。 「え、何で? 何で僕が探さなきゃならないの?」と、言った感じに、不服を顔いっぱいに顕(あら)わにした。 「またですか~。 近藤さんには、お酒を控えてもらわないと…」 「平助にも伝えてくれよ。 オレも、心当たりを探してみるからよ!」 沖田の心底嫌そうな顔には触れず、近藤捜索に向かった永倉。 →
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加