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「……そうして物を出すこと『だけ』あっさり習得したあたり、君の性格が出るというかなんというか」
「うるさいなぁ、一つずつでも出来るようになってるんだからいいでしょ!?」
そう、さっきから飛ぶとか死なないとか言っているけど、今あたし達のいる空間は普通じゃない。
そして、あたし達自身も普通じゃない。
――ここは、夢と夢を繋ぐ空間。
あたし達は、『夢の狭間』とか呼んでいる。
そしてそこで活動する『貘』であるあたし達には、ある程度不思議な力を行使することができる。
今使ったのは、その一つ。
服でもなんでも、出したいものはいくらでも出せるんだ。
「……あぁ、バクってなんでこんなんなんだろう。助けてくれた事には感謝するけど……」
「感謝するような態度には見えなかったけど?」
パーカーのポケットからから手を抜いて腕を組みながらそう言ってきたのが、あたしの相方? であり、あたしを貘にした張本人の『バク』。
貘でバクって紛らわしいんだけど、最初の自己紹介がそうだったからバクとしか呼びようがない。
身長は高いし、ルックスも悪くない。むしろ、偏差値としては高いほうだろう。
だけどこの通りの嫌味ったらしい性格なのだ。
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