第一幕

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ここには何も存在しない。音も色も匂いも感触も、五感で感じられる全てのものが何一つ無い。 また、人も生き物も、いやそもそも生命と呼べるもの自体が存在しえないのだ。 それならなぜ、僕は僕自身がここに存在しているとわかりえるのだろうか。 答えは簡単だ、僕が僕自身を肯定しているからだ。 周りには何かが在るかもしれない、だけど目に見えないから、だからそれらを僕は頭の中で無意識に否定しているのだ。
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