キレイなルール

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. 放課後。 迎えに来てくれた坂井くんと一緒にやって来たのは、まだ記憶に残っている図書準備室。 部活が始まるから時間がないはずの大樹が、坂井くんに絡むのをどうにかかわしてきた。 「金谷は相変わらずだね」 坂井くんが笑いながら図書準備室の鍵を開ける。 部室のない図書部の部室代わりに与えられている部屋らしい。 ようは学校側としては使っていない部屋らしい。 司書の先生は図書室のカウンター裏にあるガラス張りのブースにいるから、本当に空き部屋だ。 中に入ると、締め切った部屋特有の匂いがして窓をすぐに開けた。 「じゃあ作業内容だけど」 準備室の中央に机を4つくっつけた島を坂井くんが指差す。 島というか、本が載せられるだけ載せられていて机の表面が見えない。 「これを分ける」 だから、坂井くんがあっさり言ったのを聞き間違いだと思った。 「これを?」 訊き返してみたら頷かれる。 「OBが図書部にって本を寄付してくれたんだけど、あまりにも多すぎるから図書部で棚に収まるだけもらって残りは図書室に寄付しようって決まったんだ」 積まれた本を見れば、多すぎるというのは分かる。 分かるけど… 「どう分けるの?」 ため息混じりに言うくらいは許してほしい。
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